今回、悪徳商法?マニアックス ココログ支店に投稿された記事は、「お前は何を言っているのだ?」レベルでのカマトトぶりであり、何を目的としているのかよくわからない。自分の無知をさらけ出しているだけであって、吉本敏洋という人間は常識すらない人間だ、あるいはニュースなどまったく読んだり見たりすることもない、社会性の欠如した人間だ、というアピールをしているとしか思えない。
抽象的な話では単なる悪口に見えるかもしれないが、吉本敏洋氏が投稿した内容を全文そのまま、一字一句変えることなく転載するので、ぜひ読んでほしい。社会情勢についてこの程度の認識しか持てない人間が悪徳商法の問題や「表現の自由」を語っているということ自体、おかしいと思うのが普通の感覚ではないだろうか。
イスラム国って何時ごろからニュースになったのか調べてみた(改竄される可能性があるので魚拓)2015-02-10
イラクからアメリカ軍も撤退して、順調に復興しているのかと思っていたら(すいません。世界情勢に疎いので)、突然「イスラム国」とか言われだしたので、新聞記事データベースで調べてみた。
@niftyの新聞・雑誌横断検索で、”イスラム国 not イスラム国家”を検索した件数。
2014年 14630件
2013年 181件
2012年 87件
2011年 145件
2010年 215件
2009年 150件
2008年 78件
2007年 244件
2006年 138件
2007年は、福田首相の答弁「自衛隊による艦船用燃料の補給は、最近では約50%がフランス、約30%が米国、約13%が参加国唯一のイスラム国であるパキスタンだ。補給活動は国連をはじめ国際社会の高い評価を得ている。継続の必要性を理解してもらえるよう全力を尽くす。テロ対策特別措置法の趣旨に沿って適切に使用されていると認識しているが、防衛省で再確認している」が含まれているので、件数が多い。
記事を見ていると、「非イスラム国」という表現があったので、以下は”イスラム国 not イスラム国家 not 非イスラム国”を検索した件数。
2006年 118件
2005年 81件
2004年 89件
2003年 122件
なんか件数が全然減らないので、括弧書きしているだろうという予測で、”イスラム国」”で検索してみた。
2006年 7件
2005年 0件
2004年 3件
2003年 5件
2002年 16件
2006年の記事は、
ソマリア内戦:イラク武装勢力、法廷連合への支援呼びかけ
2006.12.29 東京朝刊 7頁 国際面 (全111字)【カイロ共同】イラク聖戦アルカイダ組織など複数のイスラム教スンニ派武装勢力が樹立を宣言した「イラク・イスラム国」は27日、ソマリア情勢についてウェブサイトに声明を出し、ソマリアの「イスラム法廷連合」への支援を呼び掛けた。毎日新聞社
イラク北部、28人死亡 自爆テロなど 2006.10.20 東京朝刊 7頁 1外報 (全552字)【カイロ=貫洞欣寛】イラク北部のモスルとキルクークで19日、自爆テロなどが相次ぎ、少なくとも28人が死亡した。両都市では、スンニ派武装勢力とクルド勢力などが衝突を続けている。イラクの治安は改善の兆しを見せておらず、バグダッドでは今月、すでに900人を超える遺体が収容されている。ロイター通信によると、モスルの警察署近くで燃料を積んだトラックが自爆。別の警察署にも迫撃砲攻撃があり、計20人が死亡。キルクークでも、イラク軍のパトロールを狙ったとみられる自動車爆弾の爆発で少なくとも8人が死亡した。バグダッド中央遺体安置所によると、今月1日から15日までの間にバグダッド市内から運び込まれた遺体は921人。月間1471人だった9月を上回るペースだ。宗派や党派の対立による暗殺や拉致による殺害が多いとみられ、遺体が見つかって初めて治安機関が事件を知る状態が続いている。多くは地元メディアでも報じられていない。また、スンニ派地域の中部ラマディでは18日、「イラク・イスラム国」の旗を掲げた男たちが、武装したまま市街をデモ行進した。「イラク・イスラム国」はイラク・アルカイダ機構を核とするスンニ派武装組織「イラク聖戦士評議会」が15日に「建国」を宣言した。シーア派やクルド勢力の自治拡大要求に対抗した動きとみられる。朝日新聞社
2004年、2002年の記事は全然関係ない記事、2003年の記事は、
アフガン、WTO加盟を申請 2003.04.19 佐賀新聞 国際 (全379字)
〈アフガン、WTO加盟を申請〉
【ジュネーブ17日共同】戦後復興を目指すアフガニスタンが世界貿易機関(WTO)への加盟を申請していたことが十七日、分かった。早ければ五月十五、十六の両日、ジュネーブで開かれるWTO一般理事会で加盟交渉の開始が承認される見通し。
アフガンは米中枢同時テロをきっかけとした米軍攻撃によりイスラム原理主義組織タリバンの支配が崩壊、現在はカルザイ大統領を中心に新たな国造りを目指している。移行政権の段階でのWTO加盟申請は極めて異例だが、アフガン復興を支援している日米などは加盟を後押しする構えだ。
複数の通商筋によると、加盟申請は今月十日付で「アフガニスタン暫定イスラム国」の通商相からスパチャイWTO事務局長に届いた。加盟の意向を表明した上で「申請に当たり、あらゆる必要な情報を提供する用意がある」と、WTOに全面協力する方針を伝えた。
そもそも、いわゆる「イスラム国家」ではなく、今問題になっている固有名詞としての「イスラム国」について知りたければ、こんな新聞記事検索に頼る前に読むものはいくらでもあるはずだ。コメント欄でも突っ込まれているように、2003年の記事にある「アフガニスタン暫定イスラム国」は、今話題となっている「イスラム国」とは何の関係もなく、ただ字面が一致しているだけである。しかし、その記事を転載して「この辺から、いわゆる「イスラム国」のニュースが報道されるようになったようだ」とドヤ顔で結論づけられても困る。大学のレポートなら0点だ。佐賀新聞社なので、この辺から、いわゆる「イスラム国」のニュースが報道されるようになったようだ。
当該テロ集団が「イラク・イスラム国」という名称になったのは、吉本氏も引用している2006年のことである。ここで止めておけばよかったのに。
吉本敏洋氏がGoogleと並ぶ悪の帝国として毛嫌いしているWikipediaの「イスラーム国」の項目を少しでも見ていれば、こんな初歩的なミスは絶対にしなかっただろう。吉本敏洋氏は最低限の情報収集リテラシーさえ持っていない、というのがこの記事一つからも明らかである(し、他の記事を見ればその実例が積み上げられていく一方である)。
というわけで、吉本敏洋氏がGoogleと並ぶ悪の帝国として毛嫌いしているWikipediaの「イスラーム国」の項目を簡単にまとめてほんの少し追記すれば、今回問題となっている「イスラム国」の歴史は以下のとおりである。
- 2000年頃 アブー・ムスアブ・アッ=ザルカーウィーがヨルダンなどで築いた As Jama'at al-Tawhid wal-Jihad(「タウヒードとジハード集団」という意味、 略称: JTJ)が前身。アフガン戦争後はイラクに接近する。
- 2003年 イラク戦争後はイラク国内でさまざまなテロ活動を行った。
- 2004年 アル=カーイダと合流して名称を「イラクの聖戦アル=カーイダ組織」と改称。
- 2006年1月 名称を「ムジャーヒディーン諮問評議会」と改称、他のスンニ派武装組織と合流。
- 2006年10月 解散して他組織と統合し、「イラク・イスラーム国」と改称。
- 2009年10月25日と12月8日 首都バグダードで自爆テロを実行。
- 2012年3月20日 バグダードを含む数十都市で連続爆弾テロを実行。
- 2013年4月 アル=ヌスラ戦線と合併して「イラクとシャームのイスラーム国」(略称: ISIS)(別称「イラクとレバントのイスラーム国」(略称: ISIL))に改称すると声明。
- 2013年7月21日 アブグレイブ刑務所とバグダード近郊のタージにある刑務所を襲撃。
- 2013年8月 アレッポ近郊のシリア空軍基地を制圧。9月、トルコ国境沿いのアッザーズを戦闘の末に奪取、制圧。
- 2013年以後、アルカーイダやアル=ヌスラ戦線との不和が表面化している。
- 2014年2月 アルカーイダ側が「イラクとシャームのイスラーム国」とは無関係であるとの声明。
- 2014年6月29日 アブー・バクル・アル=バグダーディーが「カリフ」であり、あらゆる場所のイスラム教徒の指導者であるとし、「イスラーム国 (Islamic State)」と改称することを発表した。
- 2014年8月 湯川遥菜氏が拘束されたことが判明。
- 2014年10月 湯川氏を救出に向かった後藤健二氏が拘束されたことが判明。
- 2015年1月25日 イスラム国が湯川氏を殺害したと表明。
- 2015年2月1日 後藤氏の殺害が報じられた。
改めて確認すると、吉本敏洋氏がこの記事を公開したのは2015年2月10日、二人の邦人人質が殺害されたと報じられてから実に1週間以上経っている。その段階で「突然「イスラム国」とか言われだしたので」と書いている時点で、もはや社会人として不適格であろう。少なくとも、邦人人質問題が発生した去年の夏~秋には多くの報道で「言われだした」ことだった。それを知らないというのは、「世界情勢に疎い」レベルではなく、社会人として不適格なレベルである。
- 2006年の時点で知っていれば「とても詳しい人」レベル
- 2013年のISIS/ISILに改称時点で知っていれば「詳しい人」レベル
- 2014年夏の邦人人質問題時点で知っていれば「世間一般」レベル
- 2015年1月末の人質殺害時点で初めて知ったのならば「少し世情に疎い人」レベル
- 2015年2月10日になって「突然「イスラム国」とか言われだしたので」と書くのは「社会人として不適格な人」レベル
しかし、これまで何度も組織改編や改称を繰り返してきたイスラム国について調べるとしても、2006年に初めてイスラム国という名称を使い始めたのだから、それ以前の新聞記事をこのキーワードで調べている時点で誤りである。何の事実にも到達しないどころか、「この辺(※2003年ごろ)から、いわゆる「イスラム国」のニュースが報道されるようになったようだ」というような誤った結論をドヤ顔で言いふらして恥をかくハメになる。
そもそも、「イスラム国」と一般のイスラム教徒を同一視しないでほしいというのが最近の報道で見られる論調である。吉本敏洋氏は「すいません。世界情勢に疎いので」という言い訳のもと、「一番やってはいけないこと」を行っている。しかし、言い訳すれば知らなくても免罪されるわけではない。世の中には、発言する前にきちんと調べて正しく述べないと罪になることもある。
吉本敏洋氏はネットリテラシー、情報リテラシーに長けているわけではない。また、「カルト集団と戦う」と称してきたが、カルト問題や宗教テロ組織について詳しいわけでもない。むしろ、その逆であることを、自らドヤ顔で世間にさらけ出したのである。
吉本敏洋という人物ができることは、新聞記事の著作権を無視して自分のサイトに転載(コレクション)し、その記事に対して削除依頼があれば自分のサイト全体を潰そうとしていると曲解し、その人物を表現の自由の敵である極悪人として改めて記事にするというセカンドレイプを行った上、法廷で歪んだ主張を繰り返し、あわよくば賠償金という名の不労所得を得ようとし、敗訴すればその結果を公表せずに逃げることだけなのだ。
で、吉本さん、結局、この中途半端な記事、何のために書いたんですか?