悪徳商法マニアックス主催者Beyondこと吉本敏洋氏が「侮辱罪」「業務妨害罪」で家宅捜索と任意取調を受けたとの報が、被疑者(?)である本人からなされている。
これについては追って論ずることとし、今回は吉本氏の思想の根本的な問題を論じたい。
悪マニブログの2月7日のエントリー「
贋作を真作だと紹介するキュレーターの問題」より、吉本氏自身の考えを表明した部分である。
ちなみに私は、重要なのは「誰が言ったか」でも「何を言ったか」でも無く、「どのような立場で言ったか」もしくは「どのような目的があるのか」を第1に考えることだと思っています。人は「ぼくのおとうさん」という歌にもあるように、その時によって様々な「立場」を持って生活しています。いくら口先で良いことを言っていても「自分が儲かりたい」目的が隠されているのがステマや投資商法ということになりますし、社長ブログで綺麗事並べても所詮は会社のためです。「どのような立場で言ったか」「どのような目的で言ったか(隠された意図があるのか)」を考えるためには、肩書きではなく「何を言ったか」を見ないといけ
ませんが、立場や目的を明らかにするためには、それぞれの主張を切り離すことなく「誰が言ったか」を見ないといけません。
ですから、悪徳商法?マニアックスでは開設当初から一貫して「このページは、悪徳商法についての具体的な知識・事例・対策の収集・分類を目的としています」という目的の表明を最初に掲げています。私が、消費者問題や表現の自由に関わるのは、「関わらないと目的が達成できないから」です(コレクションくらい、好きにできる世の中になって欲しいものです)。
どうか皆さんも、何かを書いたり言ったりする場合は、この「立場」というものを表明してから言って欲しいと思います。また、人の信頼度を測る際には「立場を表明しているか」や「言ってることの裏にある目的」を考えて欲しいと思います。そして、「ジャーナリスト」とか「キュレーター」とかいった「自称の肩書き」にも騙されないようにしてください。
P.S.
そう言った意味では、「社長ブログ」というタイトルは分かりやすくて良いと思います。
そして、社長でも社長で無い人でも、全ての人は何らかの「消費者」ですから、消費者問題ひいては悪徳商法問題は重要だと思います
一見正当な発言に見えるが、根本的に間違っている。単に凡庸な意見なら放っておけばいいが、これは凡庸かつ有害な思考回路である。
まず、矛盾点を指摘しよう。
悪マニでは「このページは、悪徳商法についての具体的な知識・事例・対策の収集・分類を目的としています」という立場を表明しているという。吉本氏はこれを「自分は立場を表明しているのだから、立場を隠して発言している奴は後ろめたい悪人」と言いたくて書いたようだ。
しかし、「具体的な知識・事例・対策の収集・分類を目的としている」というのは、サイトの「目的」というよりサイトの「内容」という方が合っている。そうして収集したものをどう使うかという「本当の目的」、つまり「悪徳商法にひっかからないようにするため」だとか(これは美辞麗句的目的)、「悪徳商法関連の人間をさらし者にして裁判を起こさせて反撃し、正義の味方を気取って、反対者の口を封じる」(これが本音)とかいった悪マニを開設している吉本敏洋という人間の目的については何一つ述べていない。
いや、そうではない、と吉本氏は言うのかもしれない。彼の本当の目的は「コレクション」なのかもしれない。ひとまず本人がそう言っているのだからそうだとしておこう。では、消費者問題や表現の自由に関わるのは「コレクション」という目的を達成するための手段にすぎないということになる。その手段が「正義」といわれるものだから自分のコレクションもまた正しい・・・ということにはもちろんならないのだが、そこに気付かないのが吉本クオリティということになるのだろう。
しかも、引用の最後で「悪徳商法問題は誰にとっても重要」ということを書いており、もちろん「 」内だけなら異論はないが、悪徳商法事例コレクションと問題解決を(意図的にか、単なる論理の混乱としてかわからないが)混同して、読者をミスリードしようとしている。
ところで吉本敏洋氏のツイッターアカウントのプロフィールは「消費者問題やネットの表現の自由について考えています」と書かれているのだが、目的ではなくて手段だけをここに書くのはどういうことなのだろうか。
それにしても、悪徳商法についての事例の収集であれば、「個人名を晒す」というのはまったく必要ないことのはずだ。自分のPCに取り込んで眺めるなら誰からも苦情は出ないだろう。それを万人に見えるところに掲げておいて、「名誉毀損や侮辱や業務妨害に該当するから削除せよ」 と言われたら「悪い奴から削除依頼がきましたー」とさらにさらし者にし、裁判を起こされたらまたそれを報告して相手が悪辣だと印象づけ、その一方でこっそりと伏せ字にして(実質的敗訴行為だが)裁判では勝利する(削除対象がなくなったので)。
吉本氏自身が「言ってることの裏にある目的」は、「悪徳商法をさらし者にして裁判沙汰にすることで自分が正義の味方だと印象づけ、自分に反対する者をすべて葬り去るためにネットで発言しています」ということにほかならない。
吉本氏はさらに矛盾を露呈する。
A:何かを書いたり言ったりする場合は、この「立場」というものを表明してから言って欲しいと思います。また、人の信頼度を測る際には「立場を表明しているか」(・・・中略・・・)を考えて欲しいと思います。
B:人の信頼度を測る際には(・・・中略・・・) 「言ってることの裏にある目的」を考えて欲しいと思います。そして、「ジャーナリスト」とか「キュレーター」とかいった「自称の肩書き」にも騙されないようにしてください。
彼の発言の結論部分を二つにまとめてみた。AとB、それぞれ正確な引用だが、AとBで矛盾があることにお気づきだろう。つまり、Aは「立場を表明しろ、立場を表明しない人は信用するな」ということであり、Bは「表明された立場を信用するな」ということである。明らかな矛盾である。
このような矛盾した発言で彼が表明していることはただ一つ。「自分=吉本敏洋とそれに賛同する人間の立場は信用しろ。それ以外の人間が言っていることは信用するな。言っていることとは違う裏の目的を邪推して決めつけ、そういう人間の発言を葬り去れ」ということだ。
このブログは吉本氏の要求するレベルでの「立場表明」を行っている。サイトの目的は明確である。では氏はこのブログの著者を信用するのか。そんなことは決してない。「裏の目的は」と邪推して決めつければ終わりだからである。
吉本氏は「自分が敵認定した連中を信じるな」とプロパガンダしているにすぎない。(槍玉に挙がっている佐々木俊尚氏が吉本氏を批判したという話は見当たらないが、何か敵認定するに値することがあったのだろうか) 。そのプロパガンダこそ吉本氏の「真の目的」であることは、氏の記載から明確に読み取れることである。
いくら口先で良いことを言っていても「自分が儲かりたい」目的が隠されているのがステマや投資商法ということになりますし、社長ブログで綺麗事並べても所詮は会社のためです。
というのであれば、「いくら口先で良いことを言っていても「自分が評価されたい、敵対者を葬りたい」目的が隠されているのが悪徳商法マニアックスということになりますし、社長ブログで綺麗事並べても所詮はプライドのためです。」と書き換えることができる。
「どのような立場で言ったか」「どのような目的で言ったか(隠された意図があるのか)」を考えるためには、肩書きではなく「何を言ったか」を見ないといけ
ませんが、立場や目的を明らかにするためには、それぞれの主張を切り離すことなく「誰が言ったか」を見ないといけません。
この部分は一見正しく見える。しかし、目的や隠された意図が「何を言ったか」の部分で読み取れない場合にまで「誰が言ったか」を持ち出すのは明らかな誤りである。社長は常に社長の立場で発言するかと言えば、そうではない。ヒトラーが「お腹空いた」と発言したときは単に空腹感の表明であって、それを「穀倉地帯への侵略の意図だ」と読み取るのは「邪推」や「決めつけ」にほかならない。
また、社長ブログは「会社のため」と言うが、実際には「社員の士気高揚のため」「取引先へのアピール」「顧客へのアピール」「自分自身の印象アップ」「他の社長仲間とのなれ合い」「惰性」「社長として注目されることを利用しての個人的意見表明」などいろいろな「目的」が考えられる。それを「ステマ」や「儲け」のため、と断ずるなら、それは「誤った邪推」となる。
しかし、吉本氏の「誰が言ったかが一番重要」という立場表明は、「誤った邪推」を正当化しようという目的が透けて見える。
いずれにせよ、最後の一文は自分自身が実績のない会社の社長であることを突っ込まれてもいいように書いたのだろうが、悪マニの場合は「バーチャルオフィスを本社所在地とする零細ペーパーカンパニー社長が、自社のためというわけではなく、悪徳商法事例収集を隠れ蓑にして悪人叩きの快感を味わうことを目的として、そのウェブサイトを存続させるための裁判報告や、敵認定した人間を徹底的に社会的に抹殺する発言などを書き続けるブログ」とでも書けばいいと思う。
吉本氏の会社の詳細については「
吉本敏洋氏「株式会社カミルレ」は資本金1万円 」を参照して欲しい。
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